レポート
東京レインボープライド2023探訪記〜手を降り続けよう。振り返してくれる人は、きっといる〜

今年のレインボープライドは、想像を絶していました。
2023年4月23日(日)、渋谷・代々木で開催されたレインボープライド2023に行ってきたのですが。
コロナ禍明けということもあり、去年とは段違いの盛り上がり。
人も情報量も多すぎ。衝撃的な体験となりました。
街全体がレインボー一色、いや七色
渋谷駅を降り立つと、もうレインボープライドに参加するであろう人たちがたくさんいました。
この時点で祭り感といいますか、フェス感といいますか。盛り上がるわけです。たぎるわけです。
で、これがPARCO。パレードコースを見守る位置にあります。

レインボーのバナーを垂らすだけでなく、PARCOのロゴも虹色に。シャレとりますな。
こちらはLOEWEが入っている、同じくPARCOの壁面アート。

ちっちゃく「I ♡ NIRVANA」って書いてある。
ディズニーストアも入口からこのテンション。まじまじと見ていたら、店員さんが言い寄ってきてくれました。

「パレードに参加されるんですか?私たちもパレードがきたらこれもって応援するんです」
ニコニコ。感じの良い若い方でした。この国の未来は、あながち暗くもないんじゃないか。そう思わせてくれる笑顔でした。
派手に、楽しく、誇り高く。パレードはいつまでも途切れない。
私のお目当ては、なんといってもパレード。フロートがド派手。そしてこれがまたすごい長さ。途切れない、途切れない。
パレード参加者も、沿道組も、みんな笑顔で手を振りあっていました。

パレードが長いからか、フロートも人もけっこうなスピードで駆け抜けていきます。
あれはどこの団体?って思ってるうちに目の前を通り過ぎていく。

本当は、一つひとつの団体についてじっくり見届けたかったのですが、そんな間はありません。

とても興味深い、ぜひ話をきいてみたくなるような団体がたくさんあったのですが。歩きながら思いを巡らすなんて悠長なことはできませんでした。

ドラァグクイーンのエスムラルダさん。見れて得した気分。ありがたや。
ありがた味といえば、お坊さんもパレードに参加。最高。

とにかく。めくるめくパレード、パレード、パレード。
そんなめまぐるしさの中でも、出来うる限り手を振ることは怠けませんでした。
多様性の洪水みたいなパレードに向かって。
参加者のみなさんも振り返してくれました。ばっちりの笑顔と一緒に。
手を振ろう。振り続けよう。振り返してくれる人は、きっといる。
ポジティブな声をかければ、ポジティブな声が返ってくる。
他者に想像力を働かせたり、社会を考えることを、明るく楽しく鮮やかに。春風に吹かれながら。
なぜプライドなのか。なぜパレードなのか。その背景には数多の苦悩と苦闘の歴史があり、今も続いています。
はやく、”とっくに過去のこと”になるといいなと。願ってやみません。
それにしても、今年は海外勢もすごかった。

これはコロナ禍明けならではの光景でした。だって聞こえてくる街の会話の半分くらいが外国語なんだもん。大袈裟じゃなくて。
フェス会場まるごと満員電車状態。ブースまで辿りつけない。
パレードを横目に見ながら、逆行するかたちでフェス会場に向かったのですが。なかなか着かない。着かないというか、前に進まない。

だってメインゲートまでの参道にも人が溢れかえっていて。

しかもみんなフラッグ振り回したり、写真撮ったり、ブースに立ち寄ったり、ビール飲んだりしてるから。自由でいいやね。
やっと到着。これがメインゲート。

空気で膨らませているので、ときおり折れたり倒れそうになったりするのですが。
その度にギリギリのところで持ち堪えて、再びスクっと立ち上がる。それがどこかこのイベントの姿勢や、セクシュアルマイノリティの歴史に重なるのでしょう。参加者は毎度、歓声をあげて盛り上がっていました。立ち上がった自分たちを鼓舞し、祝福するように。
ゲートをくぐったらくぐったで、輪をかけた混雑、いや盛況ぶり。

いろんな団体、学校のブースが林立しています。
時間によってはステージでライブなどもあったみたいなのですが、到底見に行ける状況ではなく。

そもそもステージまで辿りつけない。というか、ブースすら見て回れない。どこに行こうにも渋滞と行列。来る時間を見誤りました。身動きとれず。
八方不美人のライブを見たかった。死ぬほど残念。来年はライブパフォーマンスに狙いを定めて来ようと思った次第です。

名だたる大企業のブースも。多様性への積極的な活動は、もはや企業の一般教養みたいなもんですからね。

酸欠状態から抜け出すために陸橋の上に避難。会場を見下ろしたら、こんな感じでした。360度ぐるりとこの状態。
「だめだこりゃ。歩けるわけないわ」
ということで、尻尾を巻いて会場を後にしました。
このイベント。パレード目当てで行動していると、間違いなくフェスまで回りきれません。
でもフェスでしか出会えない人や、聞けないコト、見られないシーンがたくさんあります。むしろそこがキモなんじゃないかと。パレードで気になった団体のブース、行きたかったな。
もし来年参加されるご縁があればご注意を。私は反省しています。また来年か。一年なげーなー。
著者:草冠結太
ダイバーシティ・コンテンツ・リサーチャー。ダイバーシティ&インクルージョンにまつわるイベントやコンテンツを幅広く取材・執筆。あとヒップホップも。
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